2020.10.24
「ポリティカル・コンパス」
先月の定例会では、「ポリティカルコンパス」についてディスカッションしました。参加者はオンライン含め7名。
6月の「米国リバタリアニズム」の議論の続きで、日本視点でも一度整理しようということで、リードは日本人中最もリバタリアンな内藤明宏さん。
プレゼンテーションはこちら。
政治思想というと、日本でもアカデミックには様々に区分されていると思いますが、世の中的には長い間、右と左しかないことに内藤さんは大きな違和感を持っていたそうです。そして二十歳前後に自分がリバタリアンだと自覚し、右翼と左翼という言語では自分の立ち位置を全く説明できないこと痛感したとか。
今日では、リバタリアンという言葉も考え方もある程度浸透していますが、二十年前はそうではなかったので、その気持ち悪さは想像できます。
単純にいうと、ポリティカルコンパスは縦軸を社会的な自由度、横軸を経済的な自由度の尺度にして政治的な立ち位置を明らかにしようとするもの。
上に行くほど権威主義・国家主義的、右に行くほど自由市場より、となります。
いうまでもなく、リバタリアンは右下。
ランドは右下ですが、アナーキストではないので右端のどこかでしょう。
さて参加者は、事前に以下のテストを受けてディスカッションしました。
日本:http://sakidatsumono.ifdef.jp/draft3.html
US:https://www.politicalcompass.org/test
すると衝撃の事実が。
私は(他の多くのメンバーも)リバタリアンではありませんでした。
左右の横軸はバラバラで、縦軸は真ん中からむしろ上の人が多い。
「日本人って両端に行きにくいですよね」
「上の世代は政治意識高かったですが、若者は興味ないかもですね」
といったごく普通のコメントが。
私自身、もともと、左の真ん中あたりの政治文化の中で育ち、ランドを読んで右下に行ったかと思っていましたが、右の真ん中くらいでした。
内藤さん曰く、横軸、左右の経済的な転向の方が、縦軸の社会的、文化的転向に比べて起こりやすいとか。エマニュエル・トッドによると、イデオロギーは家庭環境で決まる、そうです。
とはいえ、アイン・ランド読んで社会主義者から自由市場論者に、権威主義からリバタリアンに転向した人は大勢います。
読書の前後でやってみても良いかもしれません。