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いまから100年前、ロシアのサンクトペテルブルクで、歴史学者のE.H.カーが20世紀最大のイベ ントと呼んだ共産主義革命が進行し、世界がその新しい思想に支配された。以来半世紀以上にわたり、その思想は世界を二分し、二十世紀を定義したかにおもわれた。 いっぽう、同じ年の同じ街で、その圧倒的な歴史の大波にのまれることなく、たった一人で無謀にも、その革命のモーターを止め、終わらせると宣言した少女がいた。ほかの誰でもなく、彼女自身の自由と命の尊厳のために。50年後、少女はアメリカでベストセラー作家となり、熱烈に愛されるか激しく憎悪される異端児でありつつ、誰もが無視できない自由世界のアイコンとして揺るぎない地位を築いていた。70年後、革命はその命を終えて歴史となった。同じころ、たった一人で戦い続けた孤高の戦士は「死後の世界は信じない。自分が死ぬとき、世界は終わる」と言い残し、その生涯を閉じた。だが100年後、ロシア生まれのその少女 - アイン・ランドが遺した作品は、彼女が生涯を賭して 戦い抜いた自由の意味を読者に問い続け、まさにいまも新しい戦いを仕掛けつつある。

「この分厚いペーパーバックを受け取ったとき、僕がまず感じたのは違和感だった。千ページを越えるペーパーバックの、古びて傷んだ様子が、彼女には似つかわしくないのだった。彼女は一冊の本をこんなふうにしてしまう人ではないように思えた。ということは、彼女以前にすでにこの本は何人もの人たちの手をへているのだ、と僕は推測した。傷んでいるとは言っても、それほどひどくはない。しかし手垢は充分についている。どの人も熱心に読んだのではなかったか」

(片岡義男「アイン・ランドの小説をもらった」より)

  • われら生きるもの

    原題 : We the Living

    ロシア革命直後のペトログラードで生きる若者たちの恋模様と葛藤を描き、いちはやくソビエトの現実を告発した処女作。自らの経験を色濃く反映させた自伝的小説であると同時に、全体主義と生涯戦い続けたアイン・ランドの思想の軌跡でもある。

    1936年。邦訳は2012年、ビジネス社。

  • 水源

    原題 : The Fountainhead

    孤高の建築家の主人公と迎合主義者のアンチヒーローを対比させながら利他主義の欺瞞を喝破し、アメリカで一大センセーションを巻き起こしたランドの出世作。主人公のモデルはフランク・ロイド・ライト。

    1943年。
    英語版の累計発行部数は600万部超。
    邦訳は2004年、ビジネス社。

  • 肩をすくめるアトラス

    原題 : Atlas Shrugged

    社会主義政策による統制が強まるアメリカで、有能な経営者や技術者が「ジョン・ゴールトって誰?」と謎の文句を呟き次々と消えていくミステリー。「20世紀アメリカで聖書についで人生に影響を与えた本」とされたランドの最高傑作。

    英語版の累計発行部数は700万部超。
    邦訳は2004年、ビジネス社。
    2014年にアトランティス社より改訂文庫版。

  • アンセム

    原題 : Anthem

    「私」という概念が消滅し、究極の平等が実現した未来社会で「平等7-2521号」と呼ばれる清掃員は遠い昔に滅びた文明の痕跡から電気を再発見し、大きく社会に貢献すると信じて学者たちに報告するが…….。「私」なき思想の本質を問う短編小説。

    1938年。邦訳未出版。

  • われら生きるもの

    原題 : We the Living

    ロシア革命直後のペトログラードで生きる若者たちの恋模様と葛藤を描き、いちはやくソビエトの現実を告発した処女作。自らの経験を色濃く反映させた自伝的小説であると同時に、全体主義と生涯戦い続けたアイン・ランドの思想の軌跡でもある。

    1936年。邦訳は2012年、ビジネス社。

  • 水源

    原題 : The Fountainhead

    孤高の建築家の主人公と迎合主義者のアンチヒーローを対比させながら利他主義の欺瞞を喝破し、アメリカで一大センセーションを巻き起こしたランドの出世作。主人公のモデルはフランク・ロイド・ライト。

    1943年。
    英語版の累計発行部数は600万部超。
    邦訳は2004年、ビジネス社。

  • 肩をすくめるアトラス

    原題 : Atlas Shrugged

    社会主義政策による統制が強まるアメリカで、有能な経営者や技術者が「ジョン・ゴールトって誰?」と謎の文句を呟き次々と消えていくミステリー。「20世紀アメリカで聖書についで人生に影響を与えた本」とされたランドの最高傑作。

    英語版の累計発行部数は700万部超。
    邦訳は2004年、ビジネス社。
    2014年にアトランティス社より改訂文庫版。

  • アンセム

    原題 : Anthem

    「私」という概念が消滅し、究極の平等が実現した未来社会で「平等7-2521号」と呼ばれる清掃員は遠い昔に滅びた文明の痕跡から電気を再発見し、大きく社会に貢献すると信じて学者たちに報告するが…….。「私」なき思想の本質を問う短編小説。

    1938年。邦訳未出版。

  • われら生きるもの

    (1944 / 伊)

    戦時中のファシスト政権下のイタリアで、原作者ランドの許可なく無断で製作された海賊版を、戦後、関係者が発掘し本人監修の元で編集した1986年の復刻版。イタリアでは公開後に反体制的なメッセージが危険視され、上映禁止となっていた。ランドの映画化作品中ではもっとも原作に忠実であり、後の大スターアリダ・ヴァリらが演じたキャラクターも、原作のイメージを見事に反映している。

  • 摩天楼

    (1949 / 米)

    ランド本人の脚本による『水源』の映画版。監督はキング・ヴィダー、主人公の天才建築家はゲイリー・クーパー。原作が紹介されていなかった日本でも、1951年に公開され大ヒットし、高い評価を得た。ヒッチコック作品で知られる名カメラマン、ロバート・バークスによるドイツ表現主義的なモノクロ撮影も見どころ。

  • 肩をすくめるアトラス

    (2011・2012・2014 / 米)

    原作の時代背景を現代に置き換え映画化した三部作。アイン・ランドファンの実業家が私財を投じて製作した自主制作版。脚本は比較的原作に忠実であるものの、メジャーなハリウッドスタジオの関与も乏しく、登場人物を3部作それぞれ異なる俳優が演じる変則的なキャスティングとなっている。