2022.12.29
ARCJ定例会「『反-産業革命』を読む」開催のお知らせ
・テーマ:環境原理主義と資本主義
・日時:2023年1月7日(土)18:00- 20:00
・場所:LARKにて開催
・参加費:会員は無料、非会員は別途相談
新年早々のARCJ定例会は、アイン・ランドによる文化・教育・政治・社会批評をまとめた著作『新左翼:反-産業革命』(1971)から、急進的な環境保護運動の背後にある誤謬を的確に見抜き、その矛盾を鋭く批判した論考「反-産業革命」(The
Anti-Industrial Revolution)を取り上げます。
近年、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリに象徴される、地球温暖化防止のために反-テクノロジーの狼煙を上げながら、脱炭素化の流れを一層加速させようとする、過激な「環境原理主義者」の言動に注目があつまっています。「右肩上がりの経済成長」が生態系破壊の原因であり、それを可能にしてきた資本主義こそすべての元凶であると声高に訴える彼らは、2050年までにCO2の排出を実質ゼロにすることを目指すカーボンニュートラルの目標を絶対視するあまり、経済活動を根本から否定する「脱成長論」を唱え、化石燃料の使用を増大させる資本主義体制から直ちに脱却せよと主張しています。
本論考においてランドは、その並はずれた洞察力で、資本主義を敵視しながら環境保護を訴えるマルクス主義者や集産主義者の偽善を看破し、徹底的な批判を行っています。ランドが50年以上前に指摘しているように、資本主義を否定するためにエコロジー(現代でいえばSDGs)という免罪符を掲げ、一般大衆に罪悪感と恐怖を植え付けることで人間社会から自由を奪おうとする彼らの主張には、全体主義・ファシズムにつながる危険な思想が含まれていることに、私たちの多くは気づいていないだけなのかもしれません。
価値観の基準を見失った挙句、脱炭素化のためなら人類の文化的遺産を破壊することも辞さない過激な環境原理主義者による「エコテロリズム」が世界各地で横行している現在、「反-産業革命」を唱える脱成長論者に対するランドの容赦なき批判は、21世紀の現代にも通じる、時代を超えた意義をもっているといえるでしょう。
参加希望者には、事前にテキストの翻訳版を配布します。
※ARCJでは、毎月1回程度の定例会を開催しています。どなたでも参加できますので、希望者はお気軽にお問い合わせください。
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