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TOPICS

2022.01.19

ARCJ第21回定例会のお知らせ

・テーマ: アイン・ランドの教育論──「ザ・コンプラチコス」を読む
・日時:2022年2月5日(土)18:00- 20:00
・場所:オンライン(Lark)
・参加費:1000円(会員は無料)

今月の定例会は、現代教育の誤謬を鋭く批判した、アイン・ランドによる教育論「ザ・コンプラチコス」を取り上げます。

1971年に出版された『新左翼:反産業革命』(未邦訳)に収録されている、この他に類を見ない卓越した教育論は、「公共教育の衰退と凋落に関しての、これまでに書かれた最も具体的かつ最も簡潔な分析」ともいわれており、ランドは、理性に至上価値を置くオブジェクティビストとしての合理的な視点から、現代の教育がどうあるべきか、どうするべきかの第一原則を提示しています。

本論考において、ランドは、社会(集団)に適合させることを優先するあまり、子どもたちの頭脳の発達を阻害し、結果的に、物事に価値を見出せず、合理的な判断ができない人間以下の人間を作り上げてしまう現代教育の実践者たちを、ヴィクトル・ユーゴーの小説『笑う男』に登場する、十七世紀に実在したという邪悪な犯罪集団「コンプラチコス」に譬え、合理性を欠いた「進歩主義的」教育を厳しく糾弾する一方で、子どもの将来の明暗を決める、潜在意識のコンピュータの認知機能をプログラムするための理想的な教育法として「モンテッソーリ・メソッド」を支持しています。

本論考を読み解く上で、重要な鍵を握る「サイコ・エピステモロジー」(日本語に訳せば、「心理-認識論」あるいは「認識心理」)という用語は、ランドの弟子であったバーバラ・ブランデンが最初に提唱した概念で、ランド自身は「意識と潜在意識の自動機能の相互作用の側面からみた、人間の認知プロセスの考察」であると定義しています。

概念を「統合」できないがゆえに、理性を喪失した若者による自己破壊的な犯罪が多発し、教育の荒廃が叫ばれる今日、現代教育の欠陥を鋭く指摘しながら、正しい教育の在り方をナラティブに明示した、アイン・ランドによるこの教育論は、教育関係者のみならず、一般の親や学生にとっても貴重な示唆に富む、意義深い考察を含んだ、今だからこそ読まれるべき重要な一篇といえるのではないでしょうか。

今回の定例会では、オブジェクティビズム的認識論の根幹をなす「認識心理」(サイコ・エピステモロジー)理論を踏まえ、ランドが激しく非難した現代教育の弊害と欠陥について考えながら、我が国の教育にまつわるさまざまな問題についてディスカッションしていきたいと思います。

参加希望者には、事前に日本語訳テキストを配布しますので、ご一読の上ご参加ください。

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ARCJでは、毎月1回程度の定例会を開催しています。
お問い合わせはこちら
https://aynrandjapan.org/about/