SHARE

Twitter

Facebook

  • TwitterTwitter
  • FacebookFacebook
  • YouTubeYouTube

TOPICS

2021.08.08

「映画におけるリバタリアニズム①~クリント・イーストウッド作品にみる個人主義と道徳的判定」開催のお知らせ

・テーマ:映画におけるリバタリアニズム①~クリント・イーストウッド作品にみる個人主義と道徳的判定 (Individualism and Moral Judgment in the Films of Clint Eastwood)

・日時:2021年9月18日(土)18:00- 20:00

・場所:オンライン

・参加費:500円(会員は無料)

デビュー以来、60年以上にわたり、数々のヒット作を世に送り出し、90歳を超えた今もなお、その並外れた創造力で刺激的な作品を発表し続けるアメリカ映画界の巨人クリント・イーストウッド。

それらの作品群に通底するのは、一世一代の当たり役である「ダーティハリー」にみられるような、主人公が体現する反権威・反官僚主義と徹底した個人主義です。

ランドが提唱する個人主義とは、「自分の利益を重んじること」を前提としながらも、「自分も他人も犠牲にせず、合理的な人間同士が価値を交換すること」を意味していますが、イーストウッドもまた、「わたしは徹底して個人主義者だから、左でも右でもない」と明言し、「“自分のことだけを考えろ”という価値観は、わたしが擁護する個人主義的な価値観とはまったく別ものだ」と、カーメル市長時代のインタビューで述べています。

一方で、ランドは、「人を裁くことなかれ。しからば汝らも裁かれざらん」という聖書の訓戒を、「道徳的責任の放棄」であるとして真っ向から否定し、「非合理的な社会で合理的な人生を送るために、人は道徳的な判定を下すことを決して怠ってはならない」と主張しました。同じ意味において、イーストウッドほど、「裁く者」と「裁かれる者」の関係性を正視し、他人に対して道徳的判定を下すという行為の是非を意識的に描いてきた映画作家はいません。

そこで、今回の定例会では、『セルフィッシュネス』に収録されているランドの名エッセイ「How Does One Lead a Rational Life in an Irrational Society?」(如何にして非合理的な社会で合理的な人生を送るか?)をテキストとして参照しながら、数々のイーストウッド作品にみられる個人主義的な行動原理と、その作品が問いかける、人が人を裁くことの意味について意見交換します。

さらに、若きイーストウッドに大きな影響を与えた『牛泥棒』(1943)をはじめ、『仮面の米国』(1932)、『白衣の男』(1951)、『シェナンドー河』(1965)、『マジェスティック』(1974)、『タッカー』(1988)、『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(2013)等々、映画史に連綿と流れるリバタリアンな主人公が活躍する作品も紹介する予定です。

参加者は、下記3本のイーストウッド監督作品を事前に鑑賞し、自分なりの意見をまとめておいてください。

・『荒野のストレンジャー』(High Plains Drifter、1973)

・『ダーティハリー4』(Sudden Impact、1983)

・『リチャード・ジュエル』(Richard Jewell、2019)

※いずれも、Amazon Prime等で容易に視聴可能です。

ARCJでは、毎月1回程度の定例会を開催しています。

会員に限らず、どなたでも参加できます。

お問い合わせはこちら。

https://aynrandjapan.org/about/